あとがき

 当初、この作品のキャッチフレーズは『私は二度、あなたに恋をした』でした(笑)。
 そもそも、原作で明確にはされていないけれど、私の(あるいはコ哀新志ファンの)解釈としては、哀ちゃんがコナン君に恋をしているというのは、既成事実であるので、今更哀ちゃんの恋心の過程を描くことって少なかったなぁと思ったのです。
 これまでの連載も、哀→コナン(または志保→新一)を決定事項として、どちらかというとコナン君や新一君の心情の変化を書いたように思うのですが、せっかくの機会だから哀ちゃんの心を無理やりリセットして、新たに工藤君に恋をしてもらいました。
 だからと言ってコナン君への想いが消えたわけでもない。コナン君と新一君は当然同一人物で、でもちょっと違う。
 もしかしたら記憶を失っていなくても、同様かもしれません。まぁ原作のテーマはそういうところではないので、さらっと流されそうな気がしてしまいますが(あくまで推理漫画ですし)、コナン君が元の姿に戻った後の、彼らの心の変化っていうのは、妄想が止まらなくて面白いですね!

 今回もマニアックな設定のお話を読んで下さり、本当に嬉しかったです。ありがとうございました。
 6部構成というよりは3部構成で、その振り分けに悩みましたが、結局こういう形になりました。サブタイトルには随分と救われました。いくつかは好きな曲名から頂いています。
 思ったよりも少年探偵団が絡んできて、書いていて私も楽しかったです。むしろ彼らに救われた…。最後のシーンも、少年探偵団で終われるなんて。書き始めた頃には想像もしていませんでした。
 ハッピーエンド主義の私ですが、この作品に関してハッピーエンドといえるかどうかは様々な意見があると思います。新一君の記憶もアレですし…。
 でも新一君も哀ちゃんも、出会った頃よりも前に進めたかなと。
 そして今後どうなるかは神様しか分からないなと。
 二人が幸せになる事を祈ります。

 また私が作品を書いた時には、お付き合い頂けたらとてもとても幸せです。



 平成28年6月30日 パンプキン拝