プロローグ


(以下「週刊女性サンデー」5月27日号より抜粋)

◆元高校生探偵・工藤新一(27) 破局か!?
 一般人女性Rさん(仮名、27)との交際が表沙汰にされていた名探偵工藤新一(27)の破局について噂が流れている。二人と同じ高校に通っていたという元同級生Aさん(仮名)の話によると「Rちゃんはとても尽くすタイプで、いつも工藤君を思いやっていた」との事。工藤が高校生探偵として騒がれていた頃、ある事件の為に高校を休学していた時も「ずっと待っていた」。そんな献身なRさんと一体何があったというのだろうか。

◆破局原因は工藤の仕事病!?
 工藤新一とRさんは20××年の秋頃に交際スタートしたとされている。それから10年近くの年月をかけて愛を育み、結婚秒読みとも言われていた。工藤に依頼をしたとされる人間誰しもが工藤の誠実さを語り、大きなスキャンダルもなかった工藤に何があったのか。「工藤君は元々探偵気質なんです。授業中でも依頼が来れば学校を抜け出しちゃう。それでもRちゃんは口では文句を言いながらも工藤君を支えていたんです」(元同級生Aさん)。しかし、工藤が20歳で工藤新一探偵事務所を設立した頃から、工藤の仕事の方向性に少しずつ変化が現れた。「もともと工藤君はお父さん(注:工藤優作)の影響もあって、警察を支える探偵だったんです。それが事務所を開いてから、警察沙汰にできないような危ない仕事にも手を出すようになったみたいで、Rちゃんはとても心配していました」(元同級生Aさん)。

◆探偵・工藤新一の栄光と影…
 20××年頃がまさに高校生探偵工藤新一ブームであった事は記憶に新しい。警察ですら手に負えない事件を見事解決し、マスメディアにも好意的に顔を出していた、まさに工藤の栄光の時代であっただろう。しかし元同級生Aさんの言う通り、その後工藤の活躍は紙面からだけでなく、テレビや新聞からも姿を消した。工藤は探偵事務所を構えているものの、その所在は不明だ。聞けば口コミなどで依頼人を寄せているとの事。”仕事病”に侵された工藤は、Rさんの想いや心配すら突き放し、最終的には別れを切り出したとされる。「別れ方はひどかったみたいですよ。あんなに尽くしていたRちゃんに地元の道端で怒鳴り散らしているのを目撃した人もいるみたいです」(元同級生Aさん)。誠実さが語られ、マスコミにも爽やかな笑顔を向けていた元高校生探偵の本性がここに見えたという事か――。
 若い時にもてはやされ、今や裏の仕事まで選ばず探偵を続ける工藤は、今後Rさんの言葉に気付く事があるのか。


注:工藤優作…推理小説家。代表作に「闇の男爵(ナイトバロン)」シリーズがあり、各国で翻訳されて出版されている。妻は元女優の藤峰有希子。